リベンジポルノの被害に遭ったときに弁護士がサポートできることとは
リベンジポルノなど、インターネット上にご自身の性的な写真や動画などが拡散された場合、早期に対応しないとデジタルタトゥーとして残り続けてしまう可能性があります。
今回はリベンジポルノの被害に遭ったとき、弁護士にサポートできることについて解説します。
リベンジポルノとは?
リベンジポルノとは、元交際相手や元配偶者などが、私的な関係のときに撮影された性的な画像や動画を、相手の同意なくインターネット上や第三者に公開したり、公開すると脅迫したりする行為を指します。
これは、相手に対する復讐心や嫌がらせを動機として行われることが多く、被害者の名誉やプライバシーを著しく侵害する、重大な人権侵害行為です。
リベンジポルノは、その画像や動画が1度インターネット上に公開されてしまうと、瞬く間に拡散されてしまうという特徴があります。
情報技術の発展により、一度拡散された画像を完全に削除することは極めて困難であり、被害者は長期間にわたり精神的な苦痛や社会的信用を失うリスクにさらされます。
この深刻な被害に対応するため、日本では「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」、通称リベンジポルノ防止法が制定されています。
この法律によって、私的な性的な画像記録を不特定多数に提供する行為などが刑事罰の対象とされ、被害者の保護が図られています。
リベンジポルノの被害は、被害者本人だけでなく、その家族や友人にも影響を及ぼす可能性があり、被害に遭った場合は、速やかに適切な対応を取ることが求められます。
リベンジポルノを受けたときに早期に対応すべき理由
リベンジポルノの被害に遭った際に、迅速な対応が極めて重要となるのには、複数の理由があります。
最も重要な理由は、画像や動画の拡散を防ぎ、被害の拡大を最小限に抑えるためです。
インターネット上での情報拡散は非常に速く、公開されてから時間が経過するほど、その画像を閲覧した人や複製した人が増え、拡散が止まらなくなってしまいます。
公開から数時間で何万件ものアクセスがあることも珍しくありません。
早期に対応し、公開されたプラットフォームからの削除を迅速に行うことで、拡散の速度を遅らせ、被害を食い止めることができる可能性が高まります。
次に、証拠を保全するためです。
リベンジポルノ防止法に基づき、加害者に対する刑事告訴や損害賠償請求を行うためには、公開された画像や動画がいつ、どこで、誰によって公開されたのかという証拠が必要です。
画像や動画が削除されてしまうと、証拠の特定が難しくなるため、公開されているうちにスクリーンショットやURLの記録といった形で証拠を保全しておく必要があります。
また、発信者情報開示請求を行う上でも、早期の対応が必要です。
加害者が匿名で画像を公開した場合、発信者を特定するためのIPアドレスなどの情報は、プロバイダーによって一定期間しか保管されません。
情報が消去される前に開示請求を行うことで、加害者を特定し、損害賠償請求へと進めることが可能となります。
弁護士がリベンジポルノ被害でサポートできること
リベンジポルノの被害は、刑事、民事、インターネット上の手続きが複雑に絡み合うため、個人で適切に対応することはほぼ不可能といってよいほど困難です。
弁護士は次のようなサポートを行うことができます。
- 刑事告訴や警察への相談の代理
- リベンジポルノの画像・動画の削除請求
- 発信者情報開示請求のサポート
- 加害者に対する損害賠償請求などの民事手続き
- 二次被害に対する対応
それぞれ確認していきましょう。
刑事告訴や警察への相談の代理
リベンジポルノ行為は、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)」により、刑事罰の対象となります。
リベンジポルノ防止法に違反した場合、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金などの刑事罰が科される可能性があります。
弁護士は、被害者に代わって、警察への被害相談や、加害者の処罰を求める刑事告訴の手続きを代理します。
被害者は、加害者との接触を避けたい、あるいは精神的な負担から警察への説明や手続きを行うことが難しい場合が多いです。
弁護士が代理人となることで、これらの煩雑な手続きを任せることができ、被害者の負担を大きく軽減することができます。
また、弁護士は、提出する告訴状に法的な根拠や証拠を明確に記載し、警察が迅速に捜査を開始するよう働きかける役割も担います。
リベンジポルノの画像・動画の削除請求
インターネット上に公開された画像や動画は、放置すると被害が際限なく拡大するため、速やかな削除が最も重要となります。
弁護士は、公開された画像等について、プロバイダーやサイト運営者に対し、プライバシー権や名誉権侵害を理由とする削除請求を行います。
リベンジポルノ防止法により、プロバイダー責任制限法に基づく削除の要請があった場合、プロバイダー側の削除照会期間が、通常の案件では7日間であるのに対し、2日間に短縮されました。
これにより、迅速な削除対応が可能となり、拡散を防ぐための時間が短縮されました。
弁護士は、この法的な仕組みを最大限に活用し、公開されたサイトの運営者や、サーバーを管理するプロバイダーに対して、法的書面をもって削除を強く要請します。
海外のサイトに公開された場合でも、国際的な規制や各国の法律に基づき、削除の要請を行うサポートを提供できます。
発信者情報開示請求のサポート
加害者が匿名のアカウントや、偽名を使ってリベンジポルノの画像を公開した場合、加害者を特定しなければ、損害賠償請求などの民事手続きに進むことができません。
弁護士は、プロバイダー責任制限法などに基づき、発信者情報開示請求を行い、加害者の特定をサポートします。
この請求は、まずサイト管理者に対してIPアドレスの開示を求め、次いでそのIPアドレスを管理するプロバイダーに対して、IPアドレスと紐づけられた氏名や住所などの情報開示を求める、二段階の手続きとなります。
IPアドレスなどの情報は、プロバイダーによって保管期間が定められているため、証拠が消滅する前に迅速に手続きを行う必要があります。
弁護士は、これらの裁判手続を代理し、加害者の特定という複雑な作業を行うことができます。
加害者に対する損害賠償請求などの民事手続き
リベンジポルノによって被害者の名誉やプライバシーが侵害された場合、弁護士は加害者に対して損害賠償請求などの民事手続きを行うことができます。
損害賠償請求は、被害者が受けた精神的な苦痛や、画像等の削除にかかった費用、弁護士費用など、発生した損害の金銭的な賠償を加害者に対して求めるものです。
弁護士は、被害者の状況や画像の拡散の程度などを考慮し、適切な損害賠償額を算定します。
また、画像がまだ公開されていないものの、公開されるおそれがある場合や、脅迫を受けている場合など、さらなる公開を差し止めるための差止請求を裁判所に行うなどの民事手続を行うことができます。
これらの民事手続きは、加害者に対する責任追及だけでなく、被害の回復と再発防止のために重要な役割を果たします。
二次被害に対する対応
リベンジポルノの被害は、単なる画像の公開だけに留まらず、公開された画像等を盾に、加害者や第三者が被害者に対して金銭や義務の履行を強要してくるという二次被害につながることがあります。
たとえば、「画像を削除してほしければ金銭を支払え」と要求したり、「交際を再開しなければ画像を拡散する」と脅したりする行為などです。
このような行為は、脅迫罪、恐喝罪、強要罪などの犯罪に該当する可能性があります。
弁護士は、これらの二次被害に対して、脅迫行為や強要行為についても別途刑事告訴を検討し、法的な措置を講じることができます。
弁護士が加害者に対して法的な警告を行うことで、加害者に対する強い牽制となり、さらなる被害の拡大を防ぐ効果が期待できます。
被害者が金銭の要求に応じてしまう前に、弁護士に相談することが、二次被害の防止と解決のために極めて重要となります。
リベンジポルノの被害は弁護士に相談すべき
リベンジポルノの被害は、被害者のプライバシーと名誉を侵害し、社会的な生活にも深刻な影響を及ぼす重大な問題です。
被害が深刻化する前に、弁護士に相談することで早期の問題解決がはかれます。
弁護士は、刑事告訴による加害者の処罰、インターネット上からの迅速な画像削除、加害者の特定、そして損害賠償請求という4つの側面から、被害者を包括的にサポートできます。
ご自身の安全確保と、精神的な負担を軽減するためにも、リベンジポルノ問題に精通した弁護士に、できるだけ早く相談することを検討してください。
まとめ
今回はリベンジポルノの被害に遭ったとき、弁護士がサポートできることについて考えていきました。
リベンジポルノは、学校や会社、友人などに知られてしまうと、精神的に日常生活を送りにくくなる非常に重いトラブルです。
弁護士に依頼した場合、依頼者の方が被る不利益を最小限に抑えられるよう弁護活動を行います。
そのためお困りの場合には弁護士に相談することをおすすめします。
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